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Shining Rhapsody

オリジナル小説の投稿がメインです

小説

299話 暇

299話 暇 299話 暇 昼食を摂ってから1時間が経過した頃、バタバタと廊下を走る音に気付いたルークが顔を上げる。何事かと思っていると、執務室のドアが勢い良く開け放たれた。 「はぁ、はぁ、はぁ・・・一体どういうつもりですか!」 「スフィア・・・何の話…

298話 ルークの本心

298話 ルークの本心 298話 ルークの本心 翌朝、ルークは執務机に向かっていた。普段はスフィアに任せきりの仕事だが、流石に今日ばかりは自分がやるしかない。彼女は5日も寝ていなかったのだから、そう簡単には目覚めないだろうとの考えからだ。 そんなルー…

297話 対策

297話 対策 297話 対策 自身の執務室に戻ったルークは、食事を続けるフィーナ達の視線を浴びる。何やら険しい表情のルークに誰もが尻込みする中、仕方なく声を掛けたのはティナであった。口いっぱいに料理を詰め込んで。 「んーん、んんんふぁっふぁふぉふぇ…

296話 誘拐

296話 誘拐 296話 誘拐 フィーナ達を驚かせたものの、無事に合流を果たしたシュウ達一行。そのままの足でダンジョンを出た後、すぐに帰宅――とはならなかった。エアとの約束を果たす必要があったからだ。 外での食料調達がままならない状況において、ダンジョ…

295話 合流

295話 合流 295話 合流 「ヒィィィ!」 「魔物はまだ復活していませんね・・・」 あまりの速さに悲鳴を上げるナディアと、呑気に周囲を観察するユキ。2人の反応があまりに対局なのは、そのまま各々の実力を表している。瞬間的にならば今のエアと同等かそれ以…

294話 帰路へ

294話 帰路へ 294話 帰路へ シュウ達の会話が一段落したのとほぼ同時。答えの出たエア達が歩み寄る。 「待たせたのぉ。」 「どうするのか決まったか?」 「あぁ。すまぬが、どちらも譲って欲しいのじゃ。」 「わかった。好きにしてくれ。」 そう告げるとシュ…

293話 後始末

293話 後始末 293話 後始末 誰もが無反応だった事で、シュウは一先ず出来る事を考える。横たわる2頭のクリスタルドラゴンの処理だ。解体をこの場でするか、持ち帰ってするか。その答えはすぐに出る。 「オレのアイテムボックスには入りそうもないな。余裕が…

292話 クリスタルドラゴン戦4

292話 クリスタルドラゴン戦4 292話 クリスタルドラゴン戦4 拳を放つまでの刹那の瞬間、シュウが考え事をしたのかと言えば、答えはノーだ。半ば無意識に最善と思われる選択をする。今回の場合、後々思い返したシュウの考えを解説を交えながら状況に当て嵌め…

291話 クリスタルドラゴン戦3

291話 クリスタルドラゴン戦3 291話 クリスタルドラゴン戦3 考える事をやめたシュウの行動は早い。クリスタルドラゴンが反撃に打って出ようとした瞬間には追撃を開始する。これまでと違ったのは、魔弾ではなく魔法だった事。わざとらしく息遣いを荒くし、完…

290話 クリスタルドラゴン戦2

290話 クリスタルドラゴン戦2 290話 クリスタルドラゴン戦2 ユキ達がナディアの姉の下へと向かった後。シュウはエアの位置を確認してから、ゆっくりクリスタルドラゴンへと歩を進める。討伐が目的であれば一気に攻め立てるのだが、まだ時間を稼がなければな…

289話 クリスタルドラゴン戦1

289話 クリスタルドラゴン戦1 289話 クリスタルドラゴン戦1 全員の準備が整った事を確認し、シュウは扉に両手を突きながら声を掛ける。但し全員に、ではない。最も冷静ではいられないであろう人物へ向けてのものであった。 「扉を開けてもすぐには動くなよ?…

288話 50階層3

288話 50階層3 288話 50階層3 黙り込んでしまったユキ達から視線を外し、シュウはゆっくりと歩き出す。少し距離を開ければ気が付くだろうと思っての事。そしてシュウの予想通り、ユキ達は慌ててシュウの後を追った。 数分後、辿り着いたのは見覚えのある扉。…

287話 50階層2

287話 50階層2 287話 50階層2 出会う魔物全てを一撃で仕留め、危なげなく突き進むシュウ。初めの内は魔弾を見せていたその戦いも、50階層を半ばまで進んだ所で魔拳に切り替える。充分ナディアに披露したのと、自身のウォーミングアップを兼ねての事。 その魔…

286話 50階層

286話 50階層 286話 50階層 翌朝、シュウ達は50階層を進んでいた。前回訪れた時と同様、ガーゴイル、キマイラ、サイクロプス、ゴーレムといった多種多様な魔物が群れをなして襲い掛かる。さらには今回も同様に、シュウ単独で相手をして行く。1つだけ異なるの…

285話 50階層へ3

285話 50階層へ3 285話 50階層へ3 肩を落としてトボトボと歩くナディアを尻目に、シュウ達は少しだけ移動のペースを落とす。単にナディアを案じてのものではない。先頭を歩くシュウが黙り込んでしまった為だ。そんなシュウの様子が気になったのか、アクアが…

284話 50階層へ2

284話 50階層へ2 284話 50階層へ2 「ゔぁぁぁぁん!ごべんなざぁぁぁい!!」 「泣いてもダメ!」 「許してぇぇぇ!」 「絶対に許しません!!」 仁王立ちするシュウと、その足に縋り付くナディア。何故このような状況に陥っているのかと言うと、シュウが本…

283話 50階層へ1

283話 50階層へ1 283話 50階層へ1 シュウによって放たれた禁呪の炎が消え、辺りは静けさを取り戻す。とは言っても、全くの無音ではない。と言うのもボス部屋の前には現在、人の声が響き渡っていた。だがそれは予想外の人物の声。 「―――お主の旦那も悪いが、…

282話 シュウの失敗

282話 シュウの失敗 282話 シュウの失敗 「何とか窒息せずに済みそうだな。」 「ですが、ボス部屋だけは素通りする訳にもいきませんよ?」 「そうだよなぁ・・・仕方ない、サクッと倒して来るか。」 シュウとユキの会話からもわかるように、一行は現在ボス部…

281話 ユキの想い

281話 ユキの想い 281話 ユキの想い 暖を取り何とか復活?を果たしたナディア達。しかし暖まったのは体だけで、外の気温は相変わらず低いまま。このまま外に出れば、同じ事の繰り返しである。 そんな時頼りになるのは、風を自在に操るエア。暖まった部屋の空…

280話 足踏み

280話 足踏み 280話 足踏み ダンジョン内の砂漠地帯は暑さを感じなかったが、今シュウ達が立っている雪原は違う。一面が砂で満たされていれば、気温に関係なく砂漠である。例えどれ程の高温や低温であろうと砂が消える事は無い。 だが雪は違う。暖かければ溶…

279話 牛さん再び

279話 牛さん再び 279話 牛さん再び 31階層から変わらず続く草原を、もの凄い速度で突き進むシュウとユキ。現在その姿は35階層にあった。ダンジョンだけあって魔物の数は多いが、見晴らしの良さから討ち漏らす事は無い。 驚異的な視力も大きいが、何より恐ろ…

278話 制約

278話 制約 278話 制約 「さて。それじゃあ私達は戻るわ。」 「あぁ。これまでの事を考えると特に問題無いと思うけど、気を付けて戻ってくれ。」 「えぇ。家に帰るまでが冒険ですもの。大丈夫よ!」 一夜明けて朝食を摂った一行は、出発の準備を整えていた。…

277話 ケロちゃん!

277話 ケロちゃん! 277話 ケロちゃん! 30階層のボスが居る部屋。そこに踏み込んだシュウ達は今、映り込む光景に言葉を失っていた。全員が口を開けたままで。 「「「「「・・・・・。」」」」」 目の前の光景は信じられないのだが、それでも経験豊富なエレ…

276話 ケロちゃん?

276話 ケロちゃん? 276話 ケロちゃん? みんながシフォンケーキをに舌鼓を打っている間、シュウはひたすら夜の仕込みを行っていた。こういう時間を使わなければ、とてもではないがユキが料理を平らげるスピードに間に合わないのだ。だがそれを苦痛だとは思…

275話 おやつ

275話 おやつ 275話 おやつ 翌朝。朝食を摂り、一休みしてから出発したシュウ達。全ての魔物を狩るつもりなら、全員で手分けした方が早い。しかしシュウ達は然程バラける事なく進んでいた。それは当然ユキを警戒しての事。 「しかし凄えな・・・」 「えぇ。…

274話 存在理由

274話 存在理由 274話 存在理由 ユキと合流した事で急ぐ意味を失くし、ペースを落とした一行。落としたと言うよりは、落とさざるを得なかった。 真っ先に挙げられる理由がユキの狩り。虱潰しに魔物を探すのだから、当然時間が掛かる。まぁこれに関しては、人…

273話 シュウの仮説

273話 シュウの仮説 273話 シュウの仮説 作戦会議を終え、警戒しながら出発した一行。警戒とは言うものの、その対象は当然ユキである。そもそもユキが現れたのはシュウ達の先、25階層だ。即ち、25階層の魔物は狩り尽くされている事を意味する。他に警戒する…

272話 SSS級クエスト14

272話 SSS級クエスト14 272話 SSS級クエスト14 シュウとユキが密談から戻ると、既に昼食の後片付けは終わっていた。ナディア達を労おうと考えたシュウだったが、ユキが先に向かった事で行き先を変える。 「みんな、ちょっといいか?」 シュウが呼び掛けた意…

271話 踏み止まるべき一線3

271話 踏み止まるべき一線3 271話 踏み止まるべき一線3 暫くの間、空を見上げていたユキ。心の整理がついたのだろう。顔を下げてシュウへと向き直る。 「そう言えば、日本刀は見られても大丈夫なの?」 「ん?あぁ、単純な造りの物は大丈夫だと思う。それに…

270話 踏み止まるべき一線2

270話 踏み止まるべき一線2 270話 踏み止まるべき一線2 振り向きざまにシュウから放たれた弾丸だが、ユキを狙ってのものではない。事実、ユキの顔から20センチ右側に逸れていた。態々反応せずとも良かったのである。しかしユキは反応してみせた。厳密には手…